新NISAや長期積立を始めるとき、多くの人が迷うのが「S&P500か、オルカンか」です。どちらも低コストのインデックス投資で人気があり、どちらを選んでも大きく間違いとは言いにくい選択肢です。
ただし、同じインデックス投資でも思想は違います。S&P500は米国の大型株に集中して投資します。オルカンは先進国と新興国を含む世界中の株式へ広く投資します。つまり、この比較は単なるリターン勝負ではなく、未来の勝者を自分で選ぶか、世界全体に任せるかという選択です。
過去のリターンではS&P500が強かった
過去数十年を振り返ると、S&P500は非常に強いパフォーマンスを示してきました。米国企業は世界中で売上を作り、利益を伸ばし、株主還元にも積極的でした。特に巨大テック企業の成長は、米国株全体のリターンを大きく押し上げました。
S&P500を選ぶ魅力は、この米国企業の成長力をシンプルに取り込めることです。投資対象が分かりやすく、情報も多く、低コストの商品も豊富です。過去データを使ったシミュレーションでも、S&P500の最終資産額がオルカンを上回る場面は多く見られます。
しかし、過去に強かったことと、未来も必ず強いことは別です。ここを分けて考える必要があります。
オルカンの強さは「決め打ちしない」こと
オルカンの魅力は、米国だけでなく、世界全体の株式に分散できることです。現在の世界株式市場では米国の比率が大きいため、オルカンを買っても米国株をかなり持つことになります。ただし、将来ほかの国や地域の存在感が高まれば、指数の中身もそれに合わせて変わります。
これは、投資家が未来の勝者を当てにいかなくてよいということです。米国が引き続き強ければ米国の比率が大きく残り、別の地域が伸びればその地域の比率が高まります。
オルカンは、S&P500よりリターンが控えめに見える時期があります。その代わり、特定の国に集中しすぎない安心感があります。投資で大切なのは、最大リターンだけでなく、途中で不安になって売らずに済むことです。
比較すべき4つの観点
S&P500とオルカンを選ぶときは、次の観点で考えると整理しやすくなります。
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期待リターン
米国企業の成長力を強く信じるなら、S&P500のほうが魅力的に見えるでしょう。 -
分散の広さ
特定の国に偏りたくないなら、オルカンのほうが自然です。 -
下落時の納得感
S&P500が長く不調でも持てるか。オルカンがS&P500に負け続ける時期でも焦らないか。どちらの後悔に耐えられるかを考えます。 -
説明しやすさ
家族や将来の自分に、なぜその商品を選んだのか説明できるか。これは意外と重要です。
MarketReplayで見比べる
まずは、同じ条件でS&P500とオルカンを比べてみましょう。
▼ S&P500のシミュレーション
▼ オルカンに近い全世界株式のシミュレーション
最終資産額だけでなく、ワーストシナリオの下落幅、回復までの期間、円建てでのブレも見てください。S&P500のほうが高いリターンを出していても、途中の下落が大きく感じるなら、オルカンのほうが続けやすいかもしれません。
逆に、オルカンの分散は安心できるけれど、米国企業の成長をより強く取り込みたいなら、S&P500を中心にする考え方もあります。100か0で決める必要はありません。S&P500とオルカンを組み合わせる人もいます。ただし、オルカンの中にも米国株が多く含まれるため、組み合わせると米国比率がかなり高くなる点は理解しておきましょう。
迷ったときの考え方
「どちらが儲かるか」を完璧に当てることはできません。迷ったときは、自分がどちらの失敗を受け入れやすいかで考えるのが現実的です。
S&P500を選んで米国が不調だった場合、「やはり世界分散しておけばよかった」と感じるかもしれません。オルカンを選んでS&P500に負け続けた場合、「もっと米国に集中しておけばよかった」と感じるかもしれません。
どちらの後悔のほうが小さいか。どちらなら20年、30年と持ち続けられるか。ここに答えがあります。
S&P500は力強い集中投資、オルカンは未来を決め打ちしない分散投資です。正解は一つではありません。あなたのリスク許容度、投資目的、納得感に合うほうを選びましょう。
指数の基本情報は、S&P Dow Jones IndicesやMSCIなどの公式情報も確認すると理解が深まります。
本記事は特定の商品や売買タイミングを推奨するものではありません。投資判断はご自身の資産状況、目的、リスク許容度に合わせて行ってください。